資料を探すときにはキーワードの選択が重要です。思いついた語でやみくもに検索するのではなく、検索語の概念を理解して使うことで効果的な検索を行えます。
①統制語とシソーラス(Thesaurus)
検索の際に思いついた言葉をそのまま使うと、語形や表記の変化、同義語や同形異義語の存在などで検索漏れが生じ、なかなか思うような検索結果が得られないときがあります。そのようなときは意味範囲や使用方法を規定された「統制語」を使うとよいでしょう。図書館の資料探しに役立つ統制語は『BSH:基本件名標目表』と『NDLSH:国立国会図書館件名標目表』が代表的です。国内の多くの図書館で使われています。
シソーラスというのは専門分野ごとに上位語・下位語・関連語などを分類整理したものです。語の意味を統制し、語と語の同義語関係、階層関係を表しています。
②上位語・下位語 (広義語・狭義語)
用語には概念の広いものと狭いものがあります。より概念の広いものを上位語(広義語)、より概念の狭いものを下位語(狭義語)といいます。これらを使うことにより、検索の範囲を広げたり、狭めたりすることができます。
③同義語・関連語
より網羅的に検索をするときには、同義語・関連語にも注意を払う必要があります。
④複合語
「首都機能移転」「限界集落」「障害者福祉」といった言葉は、いくつかの語がまとまった複合語です。ひとかたまりの語として検索したほうがよい場合もあれば、語を切り分けて検索したほうがよいものもあります。検索結果が思うように出てこないときは、語を分けて検索し直してみましょう。
⑤略語と正式名称
メディアによって使われる語には特徴があります。例えば新聞記事には、誰にでもわかるような平易な言葉で、かつ、紙面の制約があるので簡潔な言葉、略語を多用するという特徴があります。
⑥言葉の変遷
言葉には時代変遷の中で呼称が変わっているもの、何かの事象により呼称が変わったもの、はじめて使われてから定着する間に呼称が変わってきたものなどがあります。研究対象としている時代に使われていた言葉を確認しましょう。