3-8 レファレンスサービス

 カウンターにいるスタッフは、みなさんが大学で学習していくうえでわからないことがあったり困ったときに支援する「アドバイザー」です。みなさんからの質問にお答えすることは「レファレンスサービス」といって、図書館の大切な仕事です。

 

白金5F レファレンスカウンター     
横浜1F レファレンスカウンター
 
※レファレンスサービス以外にも図書館では学習支援をしています。
7-4を参照してください。
 
レファレンス実践!~その1 みんなこんなことをきいています~

 

 ■参考になるウェブサイト
・レファレンス協同データベース
国立国会図書館が大学図書館や公共図書館等と協同で構築する調べ物のための検索サービスです。「自分の知りたい」と思っていることは、全国の誰かが過去に気になっていたことかもしれません。質問・回答とその回答への辿りつき方の事例が見られますので、いろいろ検索してみてください。

 

レファレンス実践!~その2 レポートで困ってるんですが、、、~
 

 

 

 column

データベースや検索エンジンを使ってみよう! 

  ~ノーベル賞受賞 大村智先生編~

 

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生について、論文や人となりをデータベースや検索エンジンを使って調べてみましたよ!

まずは手軽な検索エンジンから、「Satoshi Omura」で検索スタート!
Yahoo ! では、、、、350,000件ヒット、Google では、、、、351,000件ヒット
 1)Professor Satoshi Omura : Home-
 2)Professor Satoshi Omura : Biography-
 3)Japanese microbiologist Satoshi Omura shares Nobel Prize for …
 4)大村智 – Wikipedia
 5)Satoshi Ōmura – Facts – Nobelprize.org-
検索結果上位5番目までは全く同じ結果に。どちらを使うかは好みということでしょうか、、、

引き続き、Google で「大村智」で検索すると497,000件ヒット
 1)大村智 – Wikipedia
 2)化学者、2億人を救う。「元高校教師……
 3)ノーベル賞大村智の学歴・家族・年収すご……
 4)総理大臣がなんだ!ノーベル賞・大村智先生の……
 5)ストーリー:ノーベル賞・大村智さん「実学の精神……
これは、、、、なんでもいいから調べたいときに便利と思えばいいのでしょうか。

つぎにウィキペディアで調べてみると、、、
日本語・英語版ともに生い立ちから研究業績、研究外活動が項目立てされ、ある程度のボリュームで紹介されています。個別の研究論文の情報はありませんが、ノーベル賞受賞の理由となったのがアベルメクチンの発見だとわかりました。記載されている言葉の多くにリンクがはられているのがウィキの面白いところです。誰が書いたかわからないところは難点といえるでしょう。

ここで、Yahoo!Google で「アベルメクチン avermectin」を検索語に加えてみましたが、検索結果は上と似たようなものでした。検索エンジンはネット上のあらゆるドキュメントが検索対象になっているため、その人の業績や研究分野の概要など手がかりをつかむことはできますが、学術情報となると、多くのノイズを拾ってしまうため選別が難しそうで、論文検索には不向きといえるかもしれませんね。

つぎに、学術情報に特化した検索エンジンであるGoogle Scholar です。
「Satoshi Omura avermectin」で337件がヒット
受賞理由となった1979年の論文が2件目にヒットしています。748もの論文に引用されていてすごいですね。
検索結果は関連度が高い順にリストアップされ(根拠は公開されていません)、引用文献へのリンクもあり、この論文がどれぐらい引用されているか重要度の目安になります。検索対象は学術論文、学位論文、書籍、学術出版会や学会、学術機関からの抄録や論文などの学術情報に絞られているので結果を選別しやすいです。また、索引や書誌情報だけでなく、全文を対象にして検索をかけています。ただ、検索対象を明らかにしていないので、重要な学術情報でも検索対象にしていなければすっぽり抜け落ちてしまう可能性もあり、研究分野によっては注意が必要です。

次に大学で使える学術データベースで調べてみました。

CiNii Articles (日本の論文を探すデータベース)
国内の学協会学術論文に特化しているため、学生が卒論やレポート作成のための先行研究を探すにはおすすめです。著者や分野、キーワード、年限など、条件を入れて、国内の学術論文を検索できます。
「著者名:大村智」だと、大村先生のもうひとつの顔である美術分野が多数ヒット、「著者名:Satoshi Omura」だと1,000件以上ヒットしますが、別人が多いようです。
世界を舞台に活躍する方の検索は難しいですね。

J-STAGE (日本の自然科学系の電子ジャーナルリスト)
国内の自然科学系の学術情報が検索でき、最新の論文、過去に出版された論文、論文が引用している文献、印刷物の入手以前の論文を電子ジャーナルで読むことができます。
大村先生の論文を多数収録、「アベルメクチン」に関する論文も全文フリー公開されています。
「SATOSHI OMURA avermectin」 検索結果26件

PubMed (世界の医学文献データベース)
アメリカの国立医学図書館が作成する医学文献データベース「Medline」をインターネット上で公開したもので、世界の4,500誌近い雑誌に掲載された文献情報が調べられます。
PubMed の決まりにのっとって、「著者名:Omura S」AND 「全文:avermectin」で検索。
24件ヒットしましたが、初期設定で新しいもの順に結果が並んだので、1979年の論文は一番最後に出てきました。Abstract やSimilar articles など充実した関連情報が得られます。
論文本文はフリーでリンクがつながっており、Selected References なども論文詳細画面でわかります。

JapanKnowledge Lib (人物事典も含む辞書事典データベース)
名前で2件ヒットしました。生い立ちからノーベル賞受賞までが作文された状態です。論文情報は記載されていませんでした。

Marquis Bibliographies Online (世界の人物検索データベース)
「Profile Detail」がヒットしました。学歴、受賞歴、所属学会など研究者としての情報のほか、生まれ、趣味、家族など、決まったフォームにのっとった情報を入手できました。個別の論文についてはわかりませんでした。

このようにやってみると、人物を調べると業績や経歴はわかりますが、やはり先行研究は学術論文データベースを使わなくては選別が難しいこと、学術論文データベースは最近の論文や「アベルメクチン」に限定することができること、Google Scholar を使うと引用元がわかり、論文の重要度を測ることができそうだということがわかりました。また、大村先生のように世界的に活躍している研究者は英語の情報のほうが充実していました。
ここで使ったデータベースはどれも、学生のみなさんが使うことができるものです。自分で調べたいことと、学術データベースや検索エンジンの特徴を理解して、上手に使い分けてくださいね。

          ※検索結果は2016年3月3日現在です


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