3-8 レファレンスサービス

 カウンターにいるスタッフは、みなさんが大学で学習していくうえでわからないことがあったり困ったときに支援する「アドバイザー」です。みなさんからの質問にお答えすることは「レファレンスサービス」といって、図書館の大切な仕事です。

 

白金5F レファレンスカウンター     
横浜1F レファレンスカウンター
 
※レファレンスサービス以外にも図書館では学習支援をしています。
7章-4を参照してください。
 
レファレンス実践!~その1 みんなこんなことをきいています~

 

 ■参考になるウェブサイト
・レファレンス協同データベース
国立国会図書館が大学図書館や公共図書館等と協同で構築する調べ物のための検索サービスです。「自分の知りたい」と思っていることは、全国の誰かが過去に気になっていたことかもしれません。質問・回答とその回答への辿り着き方の事例が見られますので、いろいろ検索してみてください。

 

レファレンス実践!~その2 レポートで困ってるんですが、、、~
 

 

 

 column

データベースや検索エンジンを使ってみよう! 

 

2018年、ゲノム編集技術を施した受精卵から双子が誕生したと中国の研究者が発表し、倫理的観点から論争となりました。そこで、無料で使える検索エンジンや学術データベースを使って、ゲノム編集についてどのような情報を引き出せるのか、実際に試してみましたよ! 

 (2019年1月30日検索時の結果)

まずは手軽なYahoo!、Googleを使って「ゲノム編集」で検索スタート!
すると・・・Yahoo ! では6,260,000件Google では5,410,000件ヒット。
 1位 ゲノム編集 – Wikipedia
 2位 ゲノム編集(ゲノムヘンシュウ)とは – コトバンク
 3位 特集:ゲノム編集(Genome Editing)とは
 4位 独占告白!ゲノム編集双子を誕生させた中国人学者の苦しい「言い分…
 5位 ゲノム編集技術の現状 – 日本ゲノム編集学会

結果の上位はどちらも同じでした。

何度か検索をしてみると、双子誕生の発表直後はニュース記事が次々と増えていき最新情報を追っていくことができたのですが、日が経つにつれ上位にヒットしなくなりました。ネットの流動性がよく表れていますね。

では、1位にあがってきたWikipediaの記述を見てみましょう。

概念、歴史、応用例、危険性など、ゲノム編集にまつわるさまざまな情報が項目立てて書かれており、専門家でなくてもざっくりと基礎知識を得るにはよさそうです。ただ、専門用語も多く難しく感じました。双子誕生の発表についてもすでに加筆されていましたし、文中の用語や脚注のリンクを辿れば芋づる式に情報を集められます。ただし、誰でも自由に加筆でき、内容が刻々と変わっていってしまうこと、信ぴょう性について信頼できる典拠を確認しなければいけないことなど、参考にするには注意が必要です。

さらに学術情報に特化した検索エンジンGoogle Scholarを使ってみます。

“genome editing”で654,000件がヒットしました。

他の論文でどれだけ引用されているかが表示されるので、重要度の目安とすることができるのが面白いですね。ただ、検索対象を明らかにしていないので、重要な学術情報でも抜け落ちている可能性もあり、他のデータベースも合わせて使うことをおすすめします。

次に大学で使える学術データベースを使ってみました。

JapanKnowledge Lib (辞書事典データベース)

百科事典や語学辞書、歴史・人名辞典などを横断検索できる基礎的な辞書・事典データベース。見出し検索では「ゲノム編集」で11件ヒットしました。『日本大百科全書』のような事柄の全体像を把握できる百科事典のほかに『イミダス2018』や『週刊エコノミスト』などの記事もあり、時事的な切り口でも情報収集できます。

CiNii Articles (日本の論文を探すデータベース)
国内の学術雑誌や研究紀要を収録しており、大学生が卒論やレポート作成のための先行研究を探すにはおすすめです。「ゲノム編集」では463件ヒットしました。結果の一覧を見てみると、「青いキク」「トマト」「ウシ」「血液」と生物学・医学分野のものが多いようです。例えば社会学の分野に絞り込みたいとすると、「倫理」「規制」といった言葉を追加する方法があります。ためしに「倫理」を追加すると、23件とぐっと減りました。

J-STAGE (科学技術情報の電子ジャーナルプラットフォーム)
国内の学協会発行雑誌を収録し、大半は無料で全文を読むことができます。特に自然科学系が充実。「ゲノム編集」で検索すると452件ヒットしました。結果の一覧の横に、論文が掲載されている資料名や、「医学・保健衛生系」「工学系」といった分野などの検索フィルタが表示されるので、絞り込みに便利です。

医中誌 (医学関係文献に索引データベース)
医学・歯学・薬学・看護学・とその周辺分野の論文のほか解説記事、会議録、症例報告などが収録されているデータベースです。「ゲノム編集」で検索すると785件ヒットしました。検索結果のリストと一緒に検索履歴を表示してくれるので、やっぱり前の結果のほうがよかった・・・とか、2つ前の結果に違う言葉を追加したい・・・というようなときに迷わず戻ることができます。

PubMed (世界の医学文献データベース)
アメリカの国立医学図書館が作成する医学文献データベースMedlineをインターネット上で公開したもので、世界の4,500誌近い雑誌に掲載された文献情報が調べられます。
複数の単語をつなげて検索するフレーズ検索”genome editing”で5,262件ヒットしました。結果の一覧表示の横に発行年ごとの件数をグラフにしたものが表示されるので、いつ頃から研究が盛んになったのかをつかむことができます。2014年ごろから件数が増え始め、2018年には1,500件以上ヒットしています。

 

こうしていくつかのデータベースを使ってみると、ゲノム編集は比較的新しい研究テーマであり、ここ1年くらいは特に議論が活発であることが読み取れました。生物学・医学分野の論文が多いですが、倫理の問題を扱った論文もあり、社会学的な広がりを持つテーマとも言えそうです。また、サーチエンジンでは最新情報を手軽に集めることはできましたが、レポートや論文の裏づけになるような文献を探すには学術的なデータベースを使ったほうがよいことが分かりました。テーマによっては海外の文献のほうが充実している場合もあります。恐れずに海外のデータベースにも挑戦してみましょう。

ここで使ったデータベースはどれも、学生のみなさんが使うことができるものです。自分で調べたいことと、学術データベースや検索エンジンの特徴を理解して、上手に使い分けてくださいね。

 


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