4-2 法情報をさがす 

 法情報には、一次資料(法令・判例)と二次資料(法学文献)があります。

①法令をさがす
 
 法令には、憲法、条約、法律、政令、府令・省令、その他行政機関の命令、議院規則、立法府の機関の規程等、最高裁判所規則があります。法令を探す際は、事件が起きた時点で効力のあった条文を特定することが重要です。

▪️図書

『現行日本法規』(ぎょうせい/加除式)
『法令全書』(国立印刷局)
『六法全書』(有斐閣) 
『児童福祉六法』(中央法規出版)
『介護保険六法』(中央法規出版) 
『環境六法』(中央法規出版) 
など

▪️官報

 法令を公布・公告するために国が発行する新聞で、法令の原典であり、条文をもっとも早く知ることができます。公布年月日や改正年月日がわかっている場合は、その日付の官報で目的の法令を見つけられます。(4-1参照)

▪️データベース

  • 日本法令索引(国立国会図書館) 
    http://hourei.ndl.go.jp/SearchSys/
    明治19年公文式施行以降の法令索引(現行法・廃止法令・制定法令)と、第1回国会(昭和22年)以後の法案索引を検索できます。法令本文は、リンク先の「法令データ提供システム」から読めます。「明治前期編」では、慶應3年から明治19年までの法令情報を検索できます。
  • e-Gov法令検索(電子政府の総合窓口)
    http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
    各府省が確認した憲法・法律・政令・府省令・規則の法令データを提供しています。

 

②判例本文をさがす
 
 特定の判例を探す場合、データベースを利用すると、もれが少なく網羅的な検索ができます。また、事件名や裁判年月日、裁判所名など複数の条件を使用することで対象を絞り込むことができます。裁判ごとに付与される「事件番号」がわかれば、事件番号で検索できます。

 引用された判例の判決文(全文)は、データベースからの入手のほか冊子体でも入手できます。掲載文献名を特定し、OPAC検索で図書館所蔵が確認できれば判例集、雑誌などの冊子体を利用することで全文を入手できます。

▪️判例集

『最高裁判所民事判例集』
『最高裁判所刑事判例集』
『大審院民事判決録』
『大審院刑事判決録』
『大審院民事判例集』
『大審院刑事判例集』
『高等裁判所民事判例集』
『高等裁判所刑事判例集』
『下級裁判所民事裁判例集』
『下級裁判所刑事裁判例集』
『東京高等裁判所民事判決時報』
『東京高等裁判所刑事判決時報』
『家庭裁判月報』
『知的財産権関係民事・行政裁判例集』
『交通事故民事裁判例集』
など

※法律・法学資料には略称が使われます。付録-5を参照してください。

▪️雑誌

『判例タイムズ』(判例タイムズ社 月2回刊)
『判例時報』(判例時報社 旬刊)
『裁判所時報』(最高裁判所事務総局 月2回刊)
など

▪️データベース

  • D1-Law.com(契約データベース)
    『判例体系』収録の判例より、フリーキーワード、事項索引、参照法令、裁判年月日、裁判所名、事件番号、裁判官名などから判例全文を検索できます。『判例タイムズ』掲載の判例は同雑誌の解説にリンクしているほか、『判例タイムズ』『ジュリスト』『ジュリスト臨時増刊』掲載の評釈全文リンク、CiNii全文収録雑誌・紀要に掲載の評釈全文へリンクしています。
  • LEX/DBインターネット(契約データベース)
    明治8年の大審院の判例から今日までの判例を網羅的に収録、フリーキーワード、裁判年月日、裁判所名、事件番号などから検索できます。引用判例、被引用判例、審級相互の判例へのリンクがあり、公的刊行物は全文閲覧可能です。
  • 裁判所 COURTS IN JAPAN(最高裁判所)
    http://www.courts.go.jp/
    裁判例情報のページで、最高裁判例集、高裁判例集、下級裁判例集、行政事件裁判例集、労働事件裁判例集、知的財産裁判例集が検索でき、要旨および全文の表示ができます。最高裁判例集、下級裁判例集と知的財産裁判例集には「最近の判例一覧」が掲載されています。

 裁判所の数多くの判決のうち、「判例」として扱われるのは先例となる主要な判決のみです。新聞やニュースで取り上げられた事件でも、その裁判が判例として扱われなければ判例集に収蔵されません。気になった事件の判例が見つからないときには、その裁判が判例となっているか確認しましょう。

③法情報二次資料(法学文献)を活用する
 
▪️コンメンタール・逐条解説書(主なもののみ)
 
法令条文の意味、判例、学説などを解説した資料です。
 

「注釈」シリーズ(『新版 注釈民法』など 有斐閣)
「大コンメンタール」シリーズ
  (『大コンメンタール刑事訴訟法第2版』など 青林書院)
「(新)判例コンメンタール」シリーズ(三省堂)
「別冊法学セミナー(新)基本法コンメンタール」シリーズ
  (『刑法No.219』など 日本評論社)
「条解」シリーズ(『条解 民事訴訟法』など 弘文堂)
「逐条」シリーズ(『逐条 民法特別法講座』など ぎょうせい)
『我妻・有泉コンメンタール民法』(日本評論社)

コンメンタールのほか、法令全体の掲載と解説を主目的とした「法令解説資料」があります。新規法令の趣旨や制度の仕組み、改正法令内容を理解することができます。

『時の法令』(朝陽会 月2回刊)
『法令解説資料総覧』(第一法規 月刊)

▪️法律総合雑誌

法律の解説記事や立法動向などを掲載しています。

       『ジュリスト』(有斐閣 月刊)  
       『法学教室』(有斐閣 月刊
       『法律時報』(日本評論社 月刊)
       『法学セミナー』(日本評論社 月刊)

 

 

▪️判例解説・判例評釈 

 判例解説や判例評釈は、研究者や実務家が判例について論評や解説をしたもので、判例の概略やどこに争点があるかを理解するのに役立ちます。法律関係の図書、雑誌、大学紀要、学会誌などに掲載されています。データベースや冊子体の索引を利用すると、効率よくさがすことができます。

▼図書

『最高裁判所判例解説 民事篇』(法曹会)
『最高裁判所判例解説 刑事篇』(法曹会)
『判例事典』(六法出版社)

▼雑誌 このほかにも多数あります

『ジュリスト』(有斐閣 月刊)
『別冊ジュリスト判例百選』シリーズ(有斐閣)
『ジュリスト』臨時増刊『○○年度重要判例解説』(有斐閣)
『法学教室』(有斐閣 月刊)
『法学セミナー』(日本評論社 月刊)
『法律時報』(日本評論社 月刊)
『判例評論』(判例時報社 月刊)
『民商法雑誌』(有斐閣 月刊)
『法律判例文献情報』(第一法規出版 月刊)

▼データベース

キーワードのほか、裁判年月日、裁判所名、事件番号などから検索できるものもあります。オンラインデータベースは紙媒体の資料より速報性があります。

  • D1-Law.com(契約データベース)
    『法律判例文献情報』に収録されている法律関連文献(図書、定期刊行物)や判例集の書誌情報を検索できます。
  • LEX/DBインターネット(契約データベース)

▼DVD

  • 判例百選DVD
    『判例百選(別冊ジュリスト)』『重要判例解説』などの解説が、判例やタイトルから検索、全文表示できます。
  • ジュリストDVD
    1952年創刊号から『ジュリスト』の本誌に掲載された論文・記事・評釈を検索できます。論文・記事・評釈に引用された判例の一覧及び判示事項も参照可能。
  • 最高裁判所判例解説DVD
    昭和29年度版以降の民事篇・刑事篇に掲載された『最高裁判所判例解説』を検索できます。

▪️法律(学)辞典

 法律百科事典、法律用語辞典などには一般の事・辞典に掲載されていない用語や専門用語について記述されています。

▪️新聞記事

 『官報』のほか、一般の日刊紙も法情報の概要や社会的背景、事実関係の確認に有効な資料です。

④法情報のさがし方、調べ方についての参考資料
 
『法律学習マニュアル 第4版』(弥永真生 有斐閣 2016)
『実践判例検索』(リーガル・リサーチ研究会 第一法規 2007)
『判例学習のA to Z』(池田真朗 有斐閣 2010)
『リーガル・リサーチ 第5版』(いしかわまりこ他 日本評論社 2016)
『やさしい法律情報の調べ方・引用の仕方』(小林成光他 文眞堂 2010)
『法情報の調べ方入門:法の森の道しるべ』(ローライブラソアン協会2015)

法情報の特徴

 法学分野では伝統的に紙媒体で情報を蓄積しています。明治期から公式資料は紙で扱われており、データベースが普及した今も紙媒体の重要性は全く失われていません。データベースの多くはその紙媒体を電子化したものです。データベースは速報性やリンク機能の充実が魅力であり、紙媒体は直接手にとって本の中身を見られる良さがあります。それぞれ特徴をとらえて使い、網羅的な情報収集ができるようにしましょう。

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