4-6 テクニカルリポートをさがす 

 テクニカルリポートとは政府や大学、企業、学会などのさまざまな専門研究機関において行われている調査研究や委託研究の報告書のことです。研究推進のためのニーズを把握するのに有効で、特に政府関係の大型プロジェクト等の報告書は、当該分野の将来の方向性を知ることができ、研究計画の立案に役立ちます。航空宇宙、原子力、国防など、おもに科学技術分野で扱われています。

 特徴として、論文単位で簡易に製本され、不定期に発行されること、市販されにくいこと、ひとつひとつの資料を識別するリポート番号が付与されていることがあります。リポート番号はそのリポートに関係する機関が管理のために独自に付与したもので、複数番号を持つリポートもあります。リポートの本文を探すときは、リポート番号を付与している機関のウェブサイトから入手するか、リポート番号を特定したうえで国立国会図書館の所蔵を調べましょう。

 ここでは、国内のテクニカルリポートのひとつである「科学研究費助成事業研究成果報告書」について説明します。

▪️科学研究費助成事業(科研費)とは

 人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」であり、ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものです。この補助金は、特に先端的で独創的な取り組みを支援する役割があり、萌芽期にある研究課題まで含めた最新の研究動向を知ることができます。国の予算額は、2018年度は約2,300億円、採択件数(新規・継続)は約75,000件を超えています。

▪️科研費報告書について

 2007年度研究終了分までは、多くの種目で冊子形態の研究成果報告書(科研費報告書)の作成が義務づけられていましたが、2008年度以降は、冊子形態の報告書は一部の種目を除き、原則廃止されました。2008年度以降は、研究成果報告書として、電子媒体による簡易な報告書が「KAKEN:科学研究費助成事業データベース」で公開されています。最近では、研究者が所属大学の「機関リポジトリ」で報告書を公開している場合もあります。2007年度までの研究成果報告書は国立国会図書館関西館に所蔵されています。

 明治学院大学に所属する研究者が代表研究者を務める2007年度以前の報告書は、ほぼ図書館に所蔵しています。

▪️関連サイト

  • KAKEN:科学研究費助成事業データベース 
    https://kaken.nii.ac.jp/
    国立情報学研究所(NII)が文部科学省、日本学術振興会と協力して作成しているフリーのデータベースで、採択課題、実績報告および成果概要のデータを収録しています。研究課題、研究種目、研究代表者や課題番号のほか、研究分担者、研究概要、キーワードなど、データベースの全文から検索できます。2008年度以降の研究成果報告書はKAKENで閲覧できます。研究課題ごとに採択課題、実績報告、成果概要を統合し、複数年にわたる研究についても統合しているため、1つの研究課題を通覧できます。
  • 文部科学省 科学研究費助成事業のページ 
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm
  • 独立行政法人日本学術振興会 科学研究費助成事業のページ 
    https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

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