【課外活動紹介】はやらないカフェ

取材日:2021/02/09

「はやらないカフェ(哲学カフェ)」の活動について、賴俊輔先生、林公則先生、紺屋あかり先生、17KS山田萌結さん、19KS川﨑彩子さんに座談会形式でインタビューしました。

▽「はやらないカフェ」とは、どのような活動ですか?

賴先生:「哲学カフェ」という活動は、様々な地域や団体で行われています。それを大学でも始めたいと企画した時に、林先生が「はやし先生の“はや”と、らい先生の“らい”を合わせた『はやらないカフェ』にしよう。」と提案してくれて、この名前になりました(笑)
でも、「はやらない」には他にも2つ意味があります。

1つ目は、「流行らない」です。流行を追って賑やかさを追い求めるより、じっくりと考えられる場所を提供したかったんです。

2つ目は、「逸らない」です。答えを出すことに「逸らないで」、答えのない問いを「考える」という事を中心に据えて活動する事を伝えたかったんです。
毎回テーマを決めて、その問いについての自分の考えを自由に発案して、考えを深める活動を1時間弱やってます。

参加者は、明治学院大学の教員やボランティアセンターの職員、国際学部の学生、他学部の学生、OBなどで、幅広い年齢層やバックグラウンドの人と意見を交わせるような環境を作っています。

山田さん:この活動は2020年の5月から始まりました。「哲学カフェを始める」という目的もありましたが、当時はコロナ禍で「人と話す機会を作る」という目的もありました。

そのため、開始当初の春夏頃は20~30人ほど参加者がいましたが、緊急事態宣言が解除され、参加者が徐々に他の人と交流できるようになってからは、参加人数が落ち着きました。ですので、今(取材日:2021年2月)は、5~10人ほどの参加者で活動しています。

▽先生方から見た「はやらないカフェ」の魅力は何ですか?

賴先生:元々「子どものための哲学」という、小中学生が自由に対話する機会を設けている活動が存在します。今の小学生(1年生)は週3日で塾や稽古事に行っている子も多いです。自分の好きなことをしたり、外で友達と遊んだりという、自由な時間が少なくなっているように思います。子どものうちに、「常識」を身に付けていない子ども特有の自由な発想をもとに、素朴な疑問を問いかける実践を行うことの重要さを感じています。この活動をぜひ大学でもやりたいと思いました。

私たちの活動では、「自由に思った事を話す事」と「他の参加者の意見を否定しない事」を前提にしています。このルールによって、普段は「評価する/評価される」という関係性の教員と学生も、「はやらないカフェ」では対等な関係で意見を交わせる事が、大きな魅力だと思います。

林先生:私は魅力が2つあると思います。

1つ目は、「様々な人が参加できる事」です。先ほどの話にもあったのですが、教職員が参加したり、様々な学部の学生が参加したり、普段は対等な関係では話さない人と意見を交わせる事は大きな魅力だなと思っています。

2つ目は、「はやらないカフェ」という名前にした事で、無理に多くの参加者を集めたりしなくても、自分たちが楽しいと思える活動を、確実に行えています。

紺屋先生:私はまだまだ初心者なのですが、学問をやる時の発見とは違う形で、予想していなかった事を発見する機会が多いので、率直に「面白い活動だな」と思っています。

学問の研究をする時は、本を読んだり、フィールドワークをしたり、様々な方法で情報を得ています。ですが、「はやらないカフェ」では、他者の意見はもちろん、自分が発した意見から、改めて自分の考え方を発見できるなど、新鮮な情報を得る機会が多い事が、大きな魅力だなと思います。

<「子どものための哲学」の紹介動画はこちら

▽学生から見た「はやらないカフェ」の魅力は何ですか?

山田さん:「普段話す機会がない人と話せる機会」自体が大きな魅力だと思います。教職員や学生、国際学部生や他学部の学生など、それぞれの肩書を取っ払って「一個人」として、お互いにリスペクトし合って話せる環境になっています。そして、自分の知らない視点や経験を下に交わされる意見を聞ける事は、自分の視野が広がっていくように感じます。

また、「自分の話をして良い空間」も魅力的な点だと思います。例えば、普段友達に「キャンパスに行く意味って何だと思う?」って聞いたらきっと、「意識高い系」だと思われてしまうかもしれませんよね(笑)でも、ここでは、そのような素朴な疑問を話せる環境になっています。

そして、自分の考えを言語化する事で、自分自身を改めて知る機会にもなっていると思います。

川﨑さん:この活動では、「自分の経験を下に考えを伝える」というルールがあります。ですので、それぞれの意見を聞く中で「一人一人を詳しく知れる事」が魅力だと思います。例えば、先生方についても授業内では分からない、先生方のご趣味や学生時代のお話などを聞けて、とても面白かったです。また、ここで先生方と沢山お話する機会をいただけたので、授業などでも質問しやすくなりました。

▽「対等な関係性」とはいえ、学生が先生方と意見を交わす時に緊張しないのですか?

川﨑さん:私たちが設けているルールは、「自由になるためのルール」です。例えば、「自分の意見を言わなければいけない」というルールはありません。自分の意見を話したい時はもちろん話して良いですし、話している途中に分からなくなってしまったら話を中断しても良いですし、そもそも他の人の意見を聞くだけでも良いんです。

このように、無理に意見を言わなくても良い環境によって、緊張し難くなると思います。

山田さん:まず、「他の参加者の意見を否定しない」という前提に賛同した人が参加している事は、1つの安心材料になっていると思います。

また、私は「はやらないカフェ」は本番ではなく、練習だと思っています。私自身、当初は自分の発言に対して後悔する事もあったのですが、回を重ねる毎に「どのようにしたら自分の意見を正確に伝えられるか」「どのようにしたら人の意見を深く知れる質問を投げ掛けられるか」など考えられるようになりました。ですので、「人と意見を交わすのに必要なスキルを身に着ける練習の場」だと思っています。

もし、自分の意見を言う事が苦手だから、緊張してしまうから参加できないと思っているなら、不安に思わずに聞くだけでも参加してみてほしいなと思います。

▽特に印象的だったテーマは何ですか?

賴先生:私は「どうして働かなくちゃいけないの?」といテーマです。約30人の参加者を2つのグループに分けて、1つのグループでも学生半分、教職員半分ほどの人数比で話し合いました。

若い学生は「どうやって働くべきか」「どうやったら大人になれるか」という問いが多かったので、「なぜ働かないといけないと思うの?」と質問しました。すると、「SNSで『こんな会社立ち上げました!』や『こんなプロジェクト成功させました!』という投稿を多く見るので、自分も何者かにならないといけないと感じるから。」と話してくれました。

その話を聞いて、私たちが触れている情報と若者が触れている情報の違いを改めて気付かされました。違う世代の人と話し「生きている世界の違い」を発見できたので、強く印象に残っています。

紺屋先生:私は「大人ってなんだろう?」というテーマです。今でもずっと考えていますし、皆さんの意見を聞いて、ますます分からなくなってしまいました。でも、「答えがすぐに出ない」という事自体が、良いテーマだったと言えると思います。

山田さん:私も「大人ってなんだろう?」です。4年生の私が社会人を目の前にして考えた事を、テーマとして提案させていただきました。この会の参加者は、学生よりも社会人である教職員の方の方が多かったのですが、結論が出ませんでした。「はやらないカフェ」は、答えを出す場ではないのですが、様々な意見を聞いた結果、モヤモヤと自分の中で考え続けるようになりました。この活動の後も、ずっと考え続ける事を含めて「はやらないカフェ」の醍醐味だと思っているので、それを改めて実感できたこのテーマが私の中では、とても印象に残っています。

川﨑さん:私は「自分らしさとは何か」です。15人くらいの参加者の「自分らしさ」を聞く事で、このテーマでも色んな側面からの見方がある事を気付きました。そして、参加後「疲れた!」と思うほど考え抜いた事がとても印象的でした。

▽今後の活動について

賴先生:まずは、対面でやりたいですね。また、複数のゼミが合同合宿をするなど、学生同士が意見を交わせる環境づくりに一層力を入れていきたいです。この学生時代に培った「考える」事は将来的に大きく役に立つと思います。

林先生:この「はやらないカフェ」をはじめとして、明学の様々な団体が「哲学カフェ」を行う事で、将来的には「明学では『考える』事が当たり前だよね」と言われるように活動していきたいですね。

山田さん:「ハブ」的な存在になってほしいですね。「はやらないカフェ」の時間だけ考えるのではなく、活動時間以外も皆と「考える」きっかけになれる活動になってほしいと思っています。

川﨑さん:やはり、コロナが収まったら対面で活動していきたいですね。パソコンのタイムラグが無い分もっと活発に話せるのではないでしょうか。

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~次回の開催予定~

2/19 18:00〜 
“他人を幸せにするってどういうこと?”
(その次は3/12開催予定)

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