【私にとっての国際学部】17KS佐藤夏希さん

取材日:2021/2/21

▽なぜ国際学部に入ったのですか?

 小さい頃から漠然と世界で活躍したいという夢があったので、色々な事を学べる国際学部を選びました。

 明学を選んだ理由は、明学が日本で初めて国際学部を設立した大学で、国際学研究のパイオニア的な存在なのかなと思い、そこに魅力を感じて明学の国際学部を選びました。

▽力を入れている活動は何ですか?

 私は、「JUNKO Association」というサークルでのボランティア活動、ミャンマー留学、ゼミでの研究の3点に力を入れています。

 まず1つ目のJUNKOは明治学院大学の学生団体で、年に2回ベトナムとミャンマーを訪問し、教育的なボランティアしたり、現地で買い付けたものを日本で販売して活動の資金にしたり、学生が自主的に活動しているボランティアの団体です。先日は、外務大臣表彰や学生団体総選挙のボランティア部門でグランプリをいただきました。今一番熱いボランティア団体かなと思っています(笑)

 この活動の魅力は2つあります。

 1つ目は、タテとヨコのつながりができる点だと思います。JUNKOは国際学部の学生も多く所属しているので、先輩後輩、同期の中で知り合いが増えて、サークル以外でも学校生活で関われるところが魅力だと思います。

 2つ目は、発展途上国で実際にボランティアをして、生活する経験自体が貴重だという事と、その経験を生かして自分たちで企画する力や、現地の背景をしっかり考える力が身に付くところです。

 私は、ミャンマーの公立学校で経済的に厳しい生徒に助成金を渡す企画を行っています。金額としてはわずかなもので、応援の気持ちとして渡しています。ただ渡すだけではなくて、支給式という式で、JUNKOの学生から支援する学生に対して応援する気持ちを伝える時間を作ったり、家庭訪問を行って状況を聞いたり、親御さんとも顔の見えるコミュニケーションをする時間を作ったりしています。お金を渡す事はとても繊細なので、学生だけで決めるのではなく、ミャンマーの協力者の方ともたくさんお話を重ねて企画を進めています。

JUNKO Associationでの活動の様子

 この活動は、関係性の作り方や伝え方がすごく難しいなと思います。どうしても日本とミャンマー、ベトナムでは、価値観や基準が違うので、実際にやってみないと気付けない事が多くあります。向こうの先生方ともお話をする機会があるのですが、価値観がすれ違ってしまう事や、ボランティアをする側とされる側で気を遣わせてしまう事があります。このサークルは26年の歴史があるので、ずっと一緒に活動してくれている人たちではありますが、歴史がある分責任もあるなと感じています。

 2つ目のミャンマー留学では、大学2年の秋から1年間、ミャンマーのヤンゴン外国語大学のミャンマー語学科へ留学しました。留学した理由は、JUNKOの活動でミャンマーを訪れた際に、人の温かさ、文化に魅力を感じたことや、ミャンマーに何か恩返しがしたいと思ったからです。

 実際に住んでみたい、住むためにはミャンマー語を勉強したいと思い、留学を決めました。ただ、明学の留学協定校ではなかったので、退学するか休学するかで迷いましたが、教授や親、周りの友人に相談して、1年間休学する事にしました。

 振り返ってみて、言語の面では、現地に行って生活する事が大事だなと思いました。座学で学ぶよりも、日常生活でしか学べない言葉遣いを知れたので、実際に足を運んで日常生活で学ぶ事の大切さを知りました。

ヤンゴン外国語大学での佐藤さん(一番右)とクラスメイト

 大学生活の他にも日本料理屋でのアルバイトや、日本語学校でのインターンなど、自分の人生史上で最も多くの事に挑戦したなと思います(笑)周りから「変わったね」って言ってもらえる事が多くて。やる前に諦めてた事を、「とりあえずやってみる!」という心構えに変えてくれた素敵な経験でした。

ヤンゴン外国語大学の修了式

 3つ目のゼミでは、林公則教授のゼミに所属しています。研究分野は環境経済学です。このゼミをとった理由は、環境生態学という林先生の授業で、環境問題について学びたいなと漠然と思ったのがきっかけですね。留学中もミャンマーで農薬関連の問題に触れて、明学に戻ったら林ゼミでこれについて研究したいと思ったので、復学後は林ゼミに入りました。

 ミャンマーでは、観光地の近くで農薬の被害が出ていて、観光業への大きなダメージが問題となっています。ですが、農家の方は収入を減らしたくないので、簡単に解決できる問題ではないんですよね。今後、この問題について深く調べていきたいと思っています。

 自分の好きな事をできるだけでなくて、他のゼミ生からの刺激もあって、私はゼミの時間がすごく好きです。それぞれが真っ直ぐに自分のやりたい事を研究しているので、いつも新しい発見がありますし、それぞれが興味ある分野を掛け合わせて考えたりできるので、その瞬間に「ゼミがすごく楽しいな。」と感じます。

▽活動は国際学部での学びや経験とどのように繋がっていますか?

 サークルや留学での経験が、こうして今のゼミの研究に繋がっているなと感じます。

 あとは、日常生活の中でも国際学部の講義で学んだことが繋がっているなと感じますね。国際学と聞くと、大きな規模の学問を想像するかと思うのですが、実際やってみると私たちの生活に密接に関係しているなと思います。教授の方々も、大きな問題を私たちの日常生活に落とし込んでくれるので、ニュースを見る時や、バイトをしている時も繋がりを感じます。

▽ミャンマーでは軍事クーデターが起こっていますが、どんな心境ですか?

 実際に生活したことのある国ですし、お世話になった方もたくさん居る国なので、ショックで信じられないというのが率直な気持ちです。

 ミャンマーにいる友達から聞く話は、日本では報道されていない事も多くあります。また、自分は行ったことがあるから興味があるけれど、他の日本人にとってはコロナの話題の方が大事だと思うので、その温度差が悲しいなと思います。

 ですがその反面、香港やタイで民主化デモが起きていた時、私はすごく無関心だったなと思いました。このことを通して、他のことに目を向けることの難しさと大切さを学びました。

▽活動がコロナによって変わった事は何ですか?

 まず、授業がオンライン授業に変わったことが一番大きかったですね。最初は、教授や大学との距離を遠く感じて、戸惑いました。

 でも慣れてきて、一度もお会いしていない教授から名前を覚えていただいたり、オンラインでの課題提出でアドバイスをいただくなど、大学側からは様々なアプローチ方法で、親身に対応してくださいました。それからは授業も楽しくなりましたし、オンラインでも大学や学生とも繋がりは感じました。それでもやっぱり対面がいいですね(笑)

 JUNKOは現地に行けなくなって、毎週のミーティングもオンラインになりました。なので、1年生のメンバーとは一度も会えていません。活動内容としては、コロナの被害が大きかった時期に、物資的な支援を行ったり、感染予防の知識を広めるために、学生で分かりやすくポスターを作ったり、学校側にも手指の消毒指導を促すなど、マニュアルを作って現地にいる協力者の方に送ったりしています。将来的にはオンラインでリアルタイムでの活動をしたいなと考えています。

▽「私にとっての国際学部」とは何ですか?

 私にとって国際学部は、自分の中にある「当たり前」を見つめ直す場所かなと思います。講義を通して、物事にある背景を考えたり、自分1人では気づけないような多角的な視点から考えられる機会がたくさんあります。また、高校生の時は、大学ではとりあえず英語留学をして、アルバイトをして、単位をとって、4年間で卒業すると思っていたので、まさか自分が休学してミャンマーに留学するとは思ってもいませんでした(笑)そういう意味でも、「普通」の定義が変わりました。

 国際学部には、「国際学部は文字通り、国のキワだったり、制度のキワにある人の事を考える学部だ」と仰る先生がいらっしゃるのですが、入学したての時はピンと来ませんでした。ですが、専門的に色々勉強するようになってから、その通りだなと思うようになりました。ただ単に世界のことを知るだけでなくて、制度からこぼれて苦しんでいる人が居て、私たちが「当たり前」だと思っている生活の中でも、それに参加できずに苦しんでいる方がいることを学びました。

▽学生や高校生へのメッセージ

 私は「自分で自分のリミットを決めないほうが良い」という事と、「なるべく外に目を向ける事」、「困ったときは周りに助けを求める事」が大切だと思います。

 1つ目は、国際学部は何でもチャレンジできる環境なので、自分の固定概念で自分を縛ったり、「自分には無理だろう」と判断したりしていると、もったいないと思います。少しでもやりたい気持ちがあるなら、まず声を出して周りに相談してみるだけで変わるのかなと思います。

 2つ目は、自分の知らない事や興味のないことをスルーするのはとても簡単ですが、もったいないと思います。国際学部には色んな学生がいるので、たくさん話してみたり、先生方ともただ授業を受けるだけでなくて、話す機会を作ったりする事が大切だと思います。それから、日常生活でも、色んな事にアンテナを張って生活するだけで、幅は広がると思います。

 3つ目は、オフラインに比べてオンラインだと尚更、自分1人で抱え込んでしまいがちですが、その時は学生や教授、職員の方に相談してほしいです。相談すれば、すぐ手を差し伸べてくれるような学校なので、周りに助けを求める事も時には大切かなと思います!

<林公則先生関連の記事>

【研究内容紹介】 http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=181

【林先生のコラム】 

 「“カーシェアリング”ってなに?〜横浜市戸塚区での実施可能性とシェアリングエコノミ        ー〜」 http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=431

  「RE100の取り組み∼大学と再生可能エネルギーの可能性」                                 http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=634

【林ゼミ校外実習座談会】 http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=1558

〇佐藤夏希

1998年生まれ。2017年に明治学院大学国際学部国際学科に入学。特定非営利活動法人「JUNKO Association」に所属。大学2年次(2018)に1年間休学し、ミャンマーへ留学。

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