【私にとっての国際学部】17KS戸林美羽さん

取材日:2021/2/22

 

▽なぜ国際学部に入ったのですか?

 父が旅行会社を経営していて、その出張によくついて行ったんですよね。その時に、アジアの国々で物乞いする人たちを見て、「怖い」というよりも「この人たちは、どのような人なんだろう?」と疑問を抱きました。

 そして中学生の時に、JICAが発行している「mundi」という月刊雑誌を読んで、抱いていた疑問が「こういう理由で、ああいう人がいるんだ」と少しクリアになったんです。それから、国際支援に興味を持つようになりました。

 最初は明学のフランス文学科に入学しました。その理由は、私はアフリカに興味かあったので、第三言語としてフランス語を学ぼうと思ったからです。ですが、卒論を書くときに、自分が学びたいことを書きたいという思いが強くありました。国際学部のゼミは、教授の方が熱心に見てくださいますし、アットホームな雰囲気も魅力的だったので、3年次に国際学部へ転部しました。

転部前に訪れたフィリピンでの様子

▽力を入れてきた活動は何ですか?

 2つあります。1つ目は海外でのインターンで、2つ目はゼミです。

 1つ目のインターンに参加した理由は、国際学部に入って色々学ぶ中で、国際支援はすごく魅力的だけれども、「それをどうやって継続させているんだろう」、「国際支援はどのようにビジネスとして成立しているんだろう」と疑問を持つようになったからです。現地で暮らしながらそれを実際に肌で感じたかったので、夏休みや春休みにインターンシップに応募しました。

 印象に残っているのは、一番長く滞在したカンボジアです。そこでは、日本企業がカンボジア人学生の大学の学費を提供する代わりに、その学生は日本で5年間働く事が義務とされていて、win-winの関係になるようなビジネスが行われていました。私は日本人事務局で、学生のビザや日本での生活支援といった、企業と学生をつなぐ仕事と、学校側にお金を寄付してくださるスポンサー企業をもてなすイベントを運営しました。

 上司はイギリス人で、同僚はカンボジア人だったので、自分が100伝えたと思っても、70くらいしか返ってこないという、言語の壁を感じました。私は海外ベースで働きたいと思っていたのですが、その大変さを知れたのは大きな収穫でした。

カンボジアでのインターン最終日の送迎会

 2つ目のゼミについては、特に卒業論文に力を入れました。転部した理由でもあって、こだわってきた部分ですね。重冨ゼミでは、先生が卒論のスケジュールを立ててくださっていたので、ゼミ生は期日までに進めれば良いんですけど、どんな調査をすれば答えが見つかるのか悩み、とても苦労しました。でも、ファイリングして形になった時に、「私はこれだけ一生懸命勉強できたんだ。」という実感が得られました。

重冨ゼミのタイでの校外実習(右:戸林さん)

▽活動は国際学部での学びや経験とどのように繋がっていますか?

 授業で学ぶ事はオンタイムで起こっている事で、将来の仕事と直接結びつかなくとも、その様々な問題に目を向けるきっかけになりました。

 卒論に関しては、疑問に対してどういう手段をもってアプローチをするのか、どういう風に考えると答えに辿り着くのか、「この方法は違ったけど、こういう方法もあるな。」といった、考える力が身に付きましたね。社会に出る前に、こうして練習できて良かったなと思います。

▽活動がコロナによって変わったことは何ですか?

 オンライン授業になった事で、仲間と切磋琢磨できない部分があったかなと思います。私は負けず嫌いで、みんなから刺激を受けて頑張るタイプなんですが、オンラインに切り替わって1人で向き合う時間が増えたので、難しく思う部分がありました。

 ですが、オンラインになって時間ができたので、JICAの方が無料で開いている国際支援サロンに参加し始めました。この状況だからこそのプラスの面を見る事も、大切だと思います。

▽「私にとっての国際学部」とは何ですか?

 自分の好奇心と向き合える場所だと思います。国際学部は人数が少ないからこそ、ゼミなどで先生としっかり向き合えますし、学生間で切磋琢磨できる環境があります。本当に転部して良かったと思います。

 重冨先生をはじめとして、疑問を持ったことに対して100の力で返してくださる先生が多いです。卒論の時は、重冨先生から「大丈夫か!」と心配の連絡をしていただいたり(笑)学生の学びたいという気持ちに対して、先生方が寄り添って返してくれる場所だと思います。

▽学生や高校生にメッセージ

 「やりたいと思った時にやってみる」、「捨てる勇気も時には必要」、「環境を選ぶ」。この3点を伝えたいです。

 大学の4年間は人生でたった1回で、あっという間です。自分の好奇心に素直に従って、「やりたい」と思った時に、何事もやってみるべきだと思います。コロナ禍で制限されてしまう部分はありますが、新しい所で何かできないか、好奇心のアンテナを広げる事で、行動は変わってくると思います。学校内外問わず、自分で「やりたいな」と思った事を1回はチャレンジしてみて欲しいです!

 そして4年前の自分に伝えたいのは、捨てる勇気も必要だということです。やってみる事はすごく大切だと思いますが、やって少しでも「違うな」と感じたら、捨てる事も時には必要だと思います。

 そして、「環境は選ぶべき!」ですね(笑)自分を高めたいのであれば、それなりの環境に身を置いてないと流されてしまいます。遊ぶのって楽しいじゃないですか(笑)その点で言えば、国際学部には意識の高い学生が多くいるので、自分も高められる場所だと思います。

【重冨真一先生関連の記事】

<研究内容紹介> http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=192

<校外実習座談会> http://mswwres.meijigakuin.ac.jp/~yisa/dw/?p=983

〇戸林美羽

1998年生まれ。2017年に明治学院大学文学部フランス文学科に入学。3年次(2019年)国際学部国際学科へ転部し、重冨真一ゼミに所属。

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