【私にとっての国際学部】18KS松崎理留さん

取材日:2021/5/3

▽なぜ国際学部に入ろうと思ったのですか?

 高校時代から英語が得意だったので、将来通訳案内士のような言語系の職種に就きたいと思いました。まず、どの学部に入ろうかと悩んだ際に外国語をメインで学ぶよりも、色々な方々と国際交流を重ねることで、その国の文化を知り、新たな可能性を見いだせたらなという考えから国際学部を志望するようになりました。

Q.通訳案内士とは何ですか?

 訪日外国人旅行者を相手にしたプロの観光ガイドのことです。場所の例を挙げると京都や鎌倉、私の故郷大分県の別府などの日本の観光地を中心に、主に外国人への通訳案内を通して自国の文化を知ってもらい、伝えていくという国際親善の一端を役割を担う非常に魅力を感じる職業です。

 

Q.地元が観光地なのですか?

 はい。大分県別府市は温泉の総湧出量が日本一で、外国人の人口密度も高い地域です。海外から来る観光客の方に道を聞かれることが多く、それをどうにか職業にできないかなと思うようになりました。日本だけでなく世界中色々なところを渡り歩いて、文化やその国の人々に触れたいという想いから国際学部を選びました。

 

▽いま、大学で力を入れて取り組んでいることは何ですか?

 大学生活において自分が特に関心を抱いている事柄は「被災地」「動作殺処分」「ジェンダー論」についてです。大学での学びを基礎として、学期休みに自分の関心事を深掘りしていくことが私の1年間の大まかな過ごし方です。

 

▽ ジェンダー論に興味をもったきっかけは何ですか?

 昨年のミスターコンへの参加がきっかけです。その参加を通して、格好良さや可愛いらしさへの世間的な考え方に疑問を感じるようになりました。自分らしくあることが大切であって、男は〇〇、女性は〇〇といった考え方にだんだんと不自由さを感じるようになりました。きっとこの違和感が生きづらさに変わり、苦しんでいる方々が世界中にもっと沢山いるのではないのかと強く思うようになりました。この経験がきっかけとなり、性に関する捉え方と密接に触れ合う中で、自分自身が深く学び、ジェンダーに関する理解を内から見直していきたいと思うようになりました。

▽大学での学びが自分の生活や行動をどのように変えていきましたか?

 私は大学生活の全てが自分の環境や日常生活を良い方向に変えていると思います。ゼミの授業では、平和や感染症に関する文学を扱っていることもあり、精神的にきついと感じることもありますが、最終的には自分を活かす方向に結びついているのではないかと思います。

Qゼミでは具体的にどのような内容を研究していますか?

 現在は、学徒動員した日本兵の手紙や米兵の手紙など、戦場から家族や友人、恋人に当てられた手紙を読んでいます。授業の目的は、戦場という極限状態で兵士たちは何を想い何を願ったのか、など普遍的な「絶望と希望」を見いだし平和を構築する人間としての基礎力を養っています。

▽コロナによって変わったこと、良かった点と悪かった点を教えてください。

 良い点は、これまでにない授業形式を通して、あまり関わりのなかった人と話し合いをする機会が増えたことです。また、今までなかなか連絡を取られなかった地元の友達、後輩や先輩同級生も交え、話を聞く機会が増えたことは不本意ながらコロナにおける良い点です。またこの様な機会だからこそ自然を感じる場所へ赴き、日に浴びたり、鳥と会話してみたり、外的な刺激と対話するようになりました。「今日はこんなことがあったんだよ」と語りかける、そういう日常を送れるようになりました。悪い点を挙げると、学校に行けなくなったことはもちろん、自分の信頼している先生や一緒に勉強する友達を頼ることができなくなってしまったことですね。もうひとつはオンライン上でしか顔が見ることができない環境が長期化してしまったせいで、自分の目で感じて、心でも見るという関わり合いが希薄になったと感じます。

▽私にとっての国際学部を教えてください。

 外で起きている出来事を自分事として受け取る。そこから一歩立ち止まった自分の視点で世界を見る。私にとっての国際学部は、そういった世界と対話を重ねる原点となってくれた場所です。

 

▽最近、心動かされることはありましたか?

 久しぶりに会った母からメッセージです。

あんたの本当にやりたいことを大事にしなさい。

嫌なことは全部止めろ。嫌なことを言わない。

我慢もしない。

一瞬の判断でいやだと思ったら、その判断は正しいと思う。体に気をつけて楽しいことだけやっていきなさい。あんたはその生き方の方が向いてる。その楽しさを究極に追い求めていくこと。

それで上手くいく。

 

▽学生やこれから明学に入りたいと思っている高校生にメッセージをお願いします。

 「高校生の頃は」「22歳の頃は」と、私たちはこのようについつい過ごす時間をぶつ切りに区切って考えてしまいがちです。でもいくつになっても可能性が広がる瞬間は皆様が過ごしている「今」にあって、その今がどんな時だってあなたのそばにいてくれます。心で見て、感じて、触れるもの。そのすべてがあなたに彩りを加えます。これから先、沢山の失敗を重ねたって良い。周りの大人にたくさんの迷惑をかけて良い。ゆっくりと、本当にゆっくりとした歩幅で、自分のやりたいことに手を伸ばし続けてみてください。

◯松崎理留

   大分県立別府青山高等学校出身。2018年明治学院大学国際学部に入学し、助川ゼミ所属。

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