【私にとっての国際学部】13KC三浦 潤美さん

取材日:2022/6/9

▽なぜ国際学部に入ろうと思ったのですか?

 英語に力を入れ、「国際人になろう」と謳っていた明治学院中高学校に在学していたことがきっかけです。周りにも海外での生活をした経験のある生徒が多く、最初は「海外ってなんか楽しそうだな。」という大雑把な海外への興味が湧いてきました。高校の時に長期休みを使い交換留学や留学プログラムをやっていたことや、留学生の受け入れを行っているのを見て、単純に英語を話せるのがかっこいいと思い、英語を習得することで、得られる知識や情報が増えるだろうと思ったのことが最初のきっかけです。

 明治学院大学に進学しようと決め、どの学部に進もうか考えたときに、必然的に国際学部が一番に出てきました。国際学部の中でも国際学科と国際キャリア学科がある中で国際キャリア学科に行きたいと思った理由としては、英語での授業を受けられるからです。英語は得意ではなかった為、まずは英語に触れることに慣れ、より多様な知識と考え方を得たいと思いました。そんなときに、ダブルディグリープログラムの存在を知り、これは国際キャリア学科に行かざるを得ない、行かないとだめだと思いました。勿論国際学科でもプログラムに参加はできたのですが、国際キャリア学科に行くことで、現地に行くための準備のような授業スタイルが私のような日本語を母国語として、英語を第二言語としてこれから学んでいく身としては、より効率的な英語の学び方であり、より現地に寄り添ったようなスタイルだと感じたため、国際キャリア学科に進学することを決めました。

 

▽学部生時代はどのような活動をされていましたか?

 2年生後半からダブルディグリープログラムを通じて渡米した為、1~2年生の前半は、とにかく【英語で】授業を受けることに精一杯でした。国際キャリア学科に行きたいと明治学院東村山高校で手を挙げた際に、越えなければいけない指標があったのですが、私はどの基準にも当てはまっていませんでした。ただ、全体的な成績は良く、上位20~30%には毎回入っていましたし、部活動では都大会にも入賞していたため、いわゆる優等生だったのですが、英語だけを見ると5段階評価中平均3を取っていれば良い方でした。そのため私が国際キャリア学科に行きたいという風に手を挙げた時に高校の先生方から、「考え直したらどうだ。」と声がかかりました。先生方としてはここまで順風満帆に生きてきた学生が大学に行って落ちこぼれになってしまわないかという不安があり、私のことを気にかけてくれていたからこそだと思います。ですが、私は「行かせてください。私なら絶対できます。」と何度も粘って、最終的に校長先生がここまで言うなら大丈夫だろうと目をつぶって下さいました。

 いざ入学し、国際キャリアに入ったのですが、自信満々で参加した最初の授業が全部英語で、何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。スピーキングやヒアリングの能力が帰国子女など他の学生より劣っていた部分があったため、ダブルディグリープログラムに行くまではサークルや部活もやらず、とにかく勉強に150%力を注いでいました。当時田中先生、ヴィシー先生、阿部先生、竹尾先生など錚々たる教授陣が沢山サポートして下さったおかげで有意義なオフィスアワーの使い方ができました。私は特にリスニングが苦手だったため、TED TalkやYouTubeのおすすめを紹介して下さいました。それでも授業で取りこぼしてしまった内容に関しては、とにかく教授に聞くスタイルでした。先生の空き時間を狙って質問に行くため、必然的に外は暗くなってしまう生活を繰り返していました。頭が煮詰まってしまったときは大学に交換留学に来ていたUC生たちと横浜の方に遊びに行き、何を言っているかよくわからないけど、とにかく聞くことを繰り返しました。その1年半が私の中で英語を体に染みつけるいい期間になりました。

 サンフランシスコに行ってからも同じことの繰り返しでした。国際キャリアで英語を鍛えたから大丈夫だと思っていましたが、現地の英語は全く違い、授業が大きい講義室だと手を挙げて質問ができませんでした。しかし、明治学院大学で培った姿勢で諦めずに何度も何度も教授に伺いに行く姿勢は保っていました。私は自分に対して甘えが出てしまう時があるため、留学中はとにかく日本人の方のコミュニティーと距離を置き、なるべく外に目を向け、ルームシェアも日本人ではなく外国の初対面の学生と、現地のインターンシップにも積極的に手を挙げていました。そうすると、現地の人の英語を学ぶことができ、理解が深まっていきました。勉強をしつつ、アクティビティもしつつ、友達と色んな所に行って喋っていると必然的に自分の中で英語以上のものを学んでいました。私はたくさんの人に沢山頼って、色んなものを吸収して、時には自分のやるせなさに涙し、それでも自分のものにしていくという学生時代を過ごしていました。

 

▽どのように現在のキャリアに至りましたか?

 アメリカにいた際にボストンキャリアフォーラムに行きました。父は「しっかりとした会社に勤めて欲しい。」という気持ちが強く、おすすめの会社リストを渡されました。しかし、リストを見るとなんとなく違和感がありました。そのため、一旦そのリストを無視し、ボストンキャリアフォーラムの参加社リストを見ました。当時は学生だったということもあり、あまり知らない会社が多いなと思った矢先、目に留まった外資系の会社がAmazonでした。会社紹介ページを見た時、社員さんは髪型や服装が自由でした。インターネットの情報だけを見て、「よし、私はAmazonだけを見に行こう。」と思い、色々な会社がある中、Amazon一択でボストンへ行きました。3回ほど面接があり、面接している方はカジュアルさもありつつ、興味をもって話の細部にもご興味をもっていただき、親しみを覚えました。私が今まで何をやってきたのか、自分が行ってきた行動・アクティビティにどんな意味や意図を持って、誰の為にやったのかを、面接時に説明し、採用していただきました。

 

 

▽現在のキャリアについて魅力と大変な面について教えてください。

 現在のキャリアの魅力としては、自分でオーナーシップを持てる部分です。チームもマネージャーも、いろんなことに対して挑戦する場を設けてくれます。なので、自分でしっかりオーナーシップをもって打ち込み、成功からも失敗からもたくさん学べます。「失敗から学ぶ」が私のモットーで、私はこの会社に入って沢山失敗してきましたが、失敗することは意味を持って何かをした結果だと思います。やらないよりはやった方が、失敗を学びに変えることができるので、失敗が失敗で終わらないというのが私の考えです。今のチームはオーナーシップを持って動いて、期待していた結果とだいぶ差異が生まれたとしても、上司とその学びを何に生かすかという建設的なコミュニケ―ションを取ることができます。そうすると、自分の考えを多角的に見られるようになっていき、違うプロジェクトでは、前回のようなミスはしないようにしようと心がけることができます。失敗しないように安定の道を行くよりも失敗した方が自分の中でも体にしっかりと刻まれ、失敗して感じたことが逆に自分の仕事に対する熱量にもなります。

 逆に大変な面というのは、定量的なデータをもとに、提案を行うところです。データをもとに深堀していき、キーポイントを見つけて実際にアクションに落とし込みます。それが自分の中で正しいと思っていても、マネージャーから何度もチャレンジされます。それに対して、データから得られたインサイトをもとに相手を動かすことは今でもすごく難しいです。人によって視点が異なり、今も大変で、完璧になることはありませんが、その過程が楽しいと思います。

 

▽社会人になるための覚悟は何ですか?

 私は覚悟はいらないと思っています。色んな人が「大学生のうちに遊んでおいたほうがいい。」などと言いますが、私は、大学は大学で大好きだったし、今も今で大好きです。社会人は毎日新しいことを学ぶため、「会社に入って大学より環境はいいかも。」と思うときがあります。毎日が学びだということと同時に、「どうぜやるなら150%楽しんだ方がいい」というスタンスで楽しんで仕事をした方が良いと思います。仕事の中に自分から楽しみを見つけられるようにマインドセットを変えると、仕事にしっかりと向き合うことが出来ます。今後社会人になる方には「社会人=つまらない」と思わないで欲しいです。

 しかし自分を奮い立たせるのと、自分が違うと思った場所に我慢してずっといるというのは全く話が違うので、ここは違うなと思ったら、新しい場所にジャンプインし、現状を変えていくことはありだと思います。私の周りには新しいロールに変える方が多いです。そうすることによって、自分のポテンシャルの伸び代がなくなってしまうから、2〜3年で仕事を変えていき、新しいチャレンジをして、失敗したらそこから新しい学びを得ています。私も同様に、自分のキャリアにはすごくわがままになって、自分の目標に向かってキャリアビルディングをしています。

 

▽あなたにとって国際学部とは?

 私にとって国際学部は、あきらめない自分を作ってくれた場所です。前述のように、帰国子女や英語を話す環境で育った学生が多い学科に入った手前、国際キャリア学科ではサバイバルでした。しかし、自分の意思で入ったからには頑張ろうという強い思いがありました。心が折れそうになり、劣等感に押しつぶされそうになったことは何度もありましたが、学科長の阿部先生、学部長の竹尾先生、教授のヴィシー先生、田中先生など、「大丈夫、あなたならできるから。」と優しく見守って下さいました。自分自身を信じることが出来なかったときに、誰よりも自分を信じてくれたのが周りにいた先生方でした。加えて、国際学部の友達も「めぐなら大丈夫だから。」といつも声をかけてくれ、諦めることを諦めさせてくれました。「みんながいるから私はこのまま走り続けなきゃ。」という自分を作ってくれました。「アメリカに行っても、待っている人がいるから。先生方にあれだけサポートしてもらったから走り続けなきゃ。」という気持ちでした。今もその気持ちを持ち続けています。会社の周りの人は、名だたる国内外大学出身の方が多いです。そこでも負けない、踏ん張れる力をくれたのは国際学部です。その力は私の良さであり、強みだからこそ、これからも大事にしたいと思っています。

 

▽在学生へメッセージ

 常に自分のベストの自分であり続けられるように努力をしてほしいです。私は本当に負けず嫌いで、常に自分と戦っていて、「めぐって本当に疲れるよね。」「いつも何と戦っているの?」と言われます。私はただ単純に3年後の自分が今の自分より輝いていて欲しいことしか考えていません。未来の自分を築けるのは今の自分です。今の自分がアンハッピーだったら、アンハッピーになる要因を取り除いてあげようとか、今の自分に満足していないとしたらもう少し自分を成長させようと思っています。何となく学生時代を過ごしている方もいますが、その【何となく】が3年後の自分にどれだけ影響を与えるかを考え、後悔するよりは今すぐ行動するべきだと思います。自分のなりたい自分像は無かったとしても、なりたくない自分像はあると思います。今日の自分が一番若いからこそ、やりたいことも今すぐやることが大事だと感じています。

〇三浦 潤美

明治学院東村山高等学校卒業後、2013年に明治学院大学国際学部国際キャリア学科に入学。学生時代に、ダブルディグリープログラムに参加し、明治学院大学及びサンフランシスコ州立大学の学位を取得。

両大学卒業後、ボストンキャリアフォーラムを通じて、2017年にアマゾンジャパンに入社。

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