【研究内容紹介】合場敬子先生

現在の研究分野は何ですか?

 私の専門は、社会学です。社会学は非常に広範な領域なので、その中でも、特にジェンダーについて研究しています。

研究分野の魅力は何ですか?

 日常生活で、「常識」や「普通」と考えられていることを、批判的に検討して、新しい発見をするところです。

▽今後の研究目標は何ですか?

 私は昨年、サバティカルで神奈川県下の私立高校に1年間通い、主に、高校2年生の女子の行動の観察や、インタビューを行いました。インタビューの主な焦点は3つあり、1つ目は、女子高校生がどのように自分の身体を認識するか、2つ目は、実践としてどのように外見を作り上げているのか、3つ目は、それらの行動にどのような意味付けをしているのかです。

 具体的に例を挙げると、まず制服ファッションに関して、私が高校生の時の1970年代は、不良の生徒はスカートを長くしていました。しかし、今の多くの女子高生は、スカートを1,2個折る事が当たり前です。また化粧に関して、私の頃の高校生は、化粧をしないという規範がありました。しかし今は、化粧をしていないように見えても、ファンデーションを塗っているなど、化粧をしている生徒が多く見られます。そして、聞きにくい事でしたが、脱毛の事なども聞きました。これからは、これらの結果を分析していきたいと考えています。

 女子高校生のジェンダーについて研究を始めた理由は2つあります。1つ目は、日本では、20歳以下の高校生や、中学生のジェンダーについての研究が、ほとんどないので、私が研究したいと思ったからです。2つ目は、英語圏では、フェミニズム運動の1つの成果として、10代から20代前半の少女や若い女性を取り巻く環境が大きく変わっています。女の子も男の子と同じように高等教育を受け、自分のキャリアを探求します。また、結婚や子育てをする際は、それと仕事を両立できるような、多様な生き方が実現しています。その一方で、彼女たち自身が特定の外見を作ったり、外見を非常に重視したりする社会にもなっています。つまり、研究結果として、若い女性に対し、特定の外見を作ることへの社会の要請が、非常に強まっている事が多く指摘されています。

 私は日本でも、全く同じ形態ではないとは思いますが、似たような傾向が存在すると考えています。しかし日本では、そのような研究をする人はほとんどいません。私の研究対象である女子高生も、親御さん、友達、メディアなど様々な媒体を経由して、特定の外見を作ることが奨励されています。それをある種のプレッシャーとして感じている女子高生がいる一方で、多くの女子高生は、化粧をする、流行りのファッションに身を包むことに楽しさを感じているようです。このような、彼女たちが感じているプレッシャーや楽しさは、彼女たちを取り巻いている、大きな社会的影響下にあるのか、ないのかという事を、研究で明らかにしたいと思っています。これが、今後の研究目標です。

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