YISAゼミ合宿補助活動報告 重冨ゼミ

YISAでは国際学部のゼミ合宿への補助を行っております。

以下、2019年6月、7月と2回に分けて行われた重冨真一ゼミ、ゼミ合宿の報告です。

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17KS    小野さん

合宿内容;

2018年10月に一般観光向けにオープンした豊洲市場の見学、調査。
重冨ゼミでは農業経済について学んでいるため、農作物流通については学んでいたが水産物流通については学んでいなかった。そのため、流通の面で共通している水産物流通についても学ぶ必要があるということで日本の水産物流通の大半を占める豊洲市場に足を運び、マグロのせりや、施設内環境、荷受会社である中央魚類の担当の方へのインタビューを行うことで水産物流通についての知識を得るという取り組み。
 
  今回の調査は中央魚類の担当の方が同伴で案内、解説してくださったため、一般観光客では立ち入ることのできないマグロのセリや、施設内に立ち入ることが可能になった。施設内の見学終了後は中央魚類の事務所で担当の方へのインタビューをする時間が設けられた。

 施設内の調査はまず、ウニを仕分けるスペースの見学から始まった。

施設内は温度管理が適切になされており、半袖シャツ一枚では肌寒く感じる程であった。ウニを仕分けるスペースの見学後は海老の仕分けを行うスペースの見学を行った。ウニを仕分けるスペースとは変わって海老を仕分けるスペースは温度が高く同じ施設内でも体感温度が5度以上高く感じられた。後の調査で分かったことだが、施設内は鮮度を保つために温度を低く調整しており、温度調整が適切になされている。この温度調整は開放型の築地市場では行うことができなかったことであり、豊洲市場に生まれ変わって得られた利点の一つである。

水産物の鮮度を保つために行われている低温維持だが一方で、海老のスペースではまた違った鮮度調整がなされていた。海老は低温下だと動きが悪くなり、最悪の場合死んでしまう恐れがあるため、他のスペースより温度が高く調整されている。水産物の特徴、鮮度管理の方法を熟知しているからこそできる技だと感じた。

 各水産物を仕分けるスペースの見学後はマグロのセリを見学した。間近で見るマグロのセリは思っていた以上に迫力があり、圧倒された。セリにかけられるマグロは冷凍マグロ、本マグロ、養殖マグロがあり、やはり本マグロが一番セリにかけられ高価な値段がつけられる。また、マグロの漁獲方法の違いによって値段の増減が生じることが分かった。

一番高い値段がつけられるマグロの漁獲方法は一本釣りであるが、めったに卸されることはないため、次に高い値段がつけられる定置網漁で獲ったマグロが一番高価なマグロになるそうだ。セリにかけられるマグロは本マグロ、養殖マグロ、冷凍マグロだが多くが本マグロであるため冷凍マグロ、養殖マグロはセリにかけられず残ってしまう。しかし、その残ってしまったマグロは相対取引という他の方法で取引される。相対取引とは市場を介さず業者同士の合意の元価格が設定される。

最近ではセリではおとされない冷凍マグロが市場に多く出回っているため、市場としてはあまり喜ばしいことではないそうだ。冷凍マグロが多く出回り始めた背景として船を用いた遠洋漁業が関係している。冷凍マグロの多くがメバチマグロであり、メバチマグロはカナダやボストンなどの海外から獲ってくるため冷凍せざるを得ない状況となっている。

 

海外からの輸入が多くなっている原因としては冷凍技術の発展により、より遠くの海からでも魚を獲ることが可能になったことが挙げられる。一方で、冷凍技術の発展は貴重な資源を枯渇しかねないと東京物産の担当の方は語った。現在世界の水産物流通はsustainable catch(持続可能な漁獲)の下、持続性が謳われている。世界の動きとしてはオリンピックで使用される魚はW.W.F.が管理、運用している認証を得られた魚に限られている。

このように日本では毎日といっていいほどに魚が食卓に並んでいるため、魚も有限資源であることを認識していない人が多いが、マグロを含めた魚は有限資源でありこのまま際限なく取り続けるといずれ枯渇してしまう。それを防ぐために現在、持続可能な漁獲が訴えかけられている。

 今回の豊洲市場見学、調査は豊洲市場内の設備について学ぶ機会になっただけではなく、普段立ち入ることができないところまで立ち入ることができたため貴重な機会となった。
また、インタビューでは中央魚類の現在の取り組みなど新たな価値観を得ることができた。

 
17KS   小園江さん

合宿内容;

豊洲市場にて朝5:30頃から始まるマグロのせりに始まって、いくつかのセリを見ながら、市場内を見学する。仲卸の店などの店などを見させていただく。当日は中央魚類株式会社(マルナカ)が担当として市場内の説明をしてくださる。
市場内を見学した後応接室に戻り、マルナカの人に質問をする時間を設けていただき、各人の質疑応答が展開される。
 
 

今回の合宿
 まず、今回の合宿を経て中央卸売市場(豊洲市場)の基本的な仕組みや役割を知ることができた。前日の午後に品物が集荷され、それを卸売業者が市場に並べる。当日の朝、仲卸業者や売買参加者がせりに参加し価格競争を成した後、それが消費者の元に届くというル―トを自分の目で見ることができた。実際のせりにて、売買に参加する仲卸業者や売買参加人は声を発することは無く、市場で定められた指のサインにて価格付けをしていた。
また、今回の合宿前に読んだ文献の中のテーマであった「マグロの一船買い」についても深く学ぶ機会となった。

 マグロの一船買いは1990年代から2000年にかけて盛んであり、ハイリスク・ハイリタ―ンな方法であった。一船買いが盛んになった要因として、マグロを急速冷凍する技術の発展や流通技術の発展が挙げられる。この合宿に参加する以前は、マグロの一船買いという言葉すら認知していなかったため、それを知る上でも良い機会であった。
 また、天然マグロと養殖マグロの違いについても知ることができた。まず、養殖のマグロは脂肪分が多く加工食品やトロ向けに養殖されている。また、天然マグロに比べ、明らかに低価格であるため近年人気が上昇している。一方で、天然マグロの数が減少傾向にあり、捕獲量に制限や削除を設けるなど、天然マグロ保護への動きも出てきている。