野口ゼミ ゼミ合宿報告

YISAでは国際学部のゼミ合宿への補助を行っております。

以下、2019年9月14日〜9月17日に行われた野口久美子ゼミ、ゼミ合宿の報告です。

16KS 福永さん

合宿内容;
本合宿は、日本の先住民であるアイヌ民族についての理解を深めるものであり、
4日間を通して、伝統あるアイヌ文化とアイヌの方々の現状、そして二風谷ダム建築に伴
うアイヌ民族に対する扱われ方を学んだ。アイヌ文化を、狩りの時に作られる仮小屋作り
やネックレス作り、アイヌの食事を作り、アイヌ舞踊の見学といった体験とモノづくりを
通して学んだ。また、実際にお世話になった貝澤さんご家族からのお話や平取町立二風谷
アイヌ文化博物館の説明二風谷ダムの現在の状況の見学を通して、アイヌ文化を理解する
と共にまだまだ差別が続いている現状を実例から伺った。
今回の合宿
私が一番印象に残った点は、アイヌの差別が現在にも残り、政治的にも差別が影響してい
ることである。実際にアイヌ舞踊を拝見した際に開催されていた沙流川祭りでは、よさこ
いは毎年招待されるが、アイヌ舞踊は隔年での招待になることや舞踊後の水分補給の準備
がないといった明らかな差別があることに驚いた。また、貝澤さんとご友人の生活の中で
のお話を伺うと、「キモい」や外国人の名前をあだ名に付けられるといった外見に対する
差別や「アイヌ」=「あ、犬」=「アドク」といった言葉遊びのような差別が二風谷周辺
ではもちろん、苫小牧といった都市でも日常的な差別が行われている現状を知った。私は
アイヌの方々と和人との顔の区別はつかなかったが、行動が限られ、他者との共存に重き
を置く田舎であるからこそ、親から子への差別が続き、色濃く残っていることを感じた。
さらに興味深かった点は、法律である。法律によりアイヌ文化を受け継ぐことができなか
った時代が存在し、それによりアイヌ文化の伝統を、アイヌ文化を研究する和人から教わ
らなければならかった。自分の文化を迫害してきた他者から学ぶということは自分に当て
はめると非常に屈辱的な事であると考える。また迫害してきたにも関わらず、今年5月に
国会で「アイヌを国民と認めることを求める決議」が行われた。その決議の裏には、2020
の東京オリンピック・パラリンピックで外国人からの関心が集まることも踏まえられてお
り、それに合わせて白老に博物館が作られる。貝澤さんが「博物館の中にアイヌを収めよ
うとしている」という言葉が忘れられない。

16KS 徳冨さん

2019年9月
14日午前:新千歳空港集合&バス移動
14日午後:貝澤家挨拶
(貝澤耕一さんは、二風谷ダム建設反対運動の第一人者である。奥さんの美和子さんは熊本出身であり、アイヌ料理の研究を行い、現在はレクチャーを行っている。息子の太一さんは、学芸員やアーティストとして、アイヌ文化の振興に取り組んでいる。貝澤家は有機農業も営んでいる)
15日午前:年に1度の平取町物産展祭り「沙流川まつり」に参加
アイヌ古式舞踊を鑑賞、体験
15日午後:猟師門別さん(門ちゃん)によるアイヌ民族狩猟時の伝統的な仮小屋「クチャチセ」を作成
耕一さんによるアイヌ文化及び二風谷ダムに関するレクチャー
貝澤家の野菜を採取、カレーライス作り
16日午前:美和子さん指導の下、アイヌ伝統料理作成
太一さんのガイドによる、二風谷ダム、二風谷コタン、アイヌ工芸伝承館巡り
美和子さんによるアイヌの農耕に関するレクチャー
貝澤家の野菜&アイヌ料理と共に焼肉パーティー
17日午前:札幌市移動&解散

合宿で得たこと;

活動報告書をご覧の皆さん、こんにちは!「なんか話して」、と言われたので、お話っていうか、ボヤキます。
僕は生まれつき差別されています。どうやら「人間」だからみたいです。
僕の身の回りの人たちは僕が嫌いです。僕だけじゃなくて、僕の家族のことも嫌いです。僕の顔に「似ている」人も嫌いなようです。みんなが僕に石を投げたり、変な呼び方をしてきます。
 遠くに住んでいる人たちは、僕を嫌いって言いません。嫌いではないんだけど、仲間には入れてくれません。もっと遠くに住んでいる人たちは、「名前」程度は知っているらしいです。みんな僕らについて一応知っているらしいんですけど、興味はないそうです。だから、僕らが邪魔なら「これあげるからどーいて」、「いいもの作ってあげるね〜」と言いながら僕らの所へやって来て、なんとなく僕らをどかします。
 近くにいる人も、遠くにいる人も、態度は違うけど、僕や僕たちのことが嫌いみたいです。僕や僕のご先祖様は、みんなになんか悪いことしちゃったけか?あれかな?食べ物に感謝しすぎちゃったのかな?見せるものじゃなくて、みんなが参加する素敵な踊りが、実はみんなは暗くて嫌だったのかな?森にビルを立てないでそのままにしちゃってたからかな?
 でもね、最近になってみんながあんまり僕らを嫌いじゃなくなってきてるっぽいんですよ。僕たち、地域のお祭りであの踊りやっていいって言われたんですよ!2年に1度だけど。僕たちってやっぱり、みんなより早くここに住んでたんだって!だからと言って特に今と「偉さ」は変わらないけど。東京オリンピックの開会式で踊っていいんだって!僕らのための国立博物館ができるんだって!ていうのは、「遠くに住んでる人たち」が外国のみんなに僕らを自慢するためなんだってさ。これって心のこもった「おもてなし」なのかな?
 僕のこと「なんか寂しそう」って思う?全然寂しくないけどね!いや、まあ、とは言い切れないかな。でも、不思議なんだけど、僕や僕らみたいに、生まれつき差別されたりいじめられたりしてる人って、どっかにいる気がするんだよね。本当に不思議なんだけどね。例えばだけど、ここと違ってあっつい所に住んでる人とかさ、ちょっと離れた国で「日本人」が助けたそうにしているようで実際は意地悪されてる人たちとかさ。あと意外と僕のすぐそばにいたりしてね。そう思えると、うまく言えないんだけど、なんだか力が湧いてくるような気がするんだよね。
 だから、僕は今あんまり寂しいとは思わないかな。家族や友達、まだあったことないけど気が合いそうな人たちがいて、いいことも嫌なことも、一緒にお酒飲んで話せるから。大人になればだけどね。それより、意外と僕や僕らに意地悪したり、興味持たない人たちも寂しい思いしてたりするのかもね。だってほら、例えばだけどさ、あの人たちって「お揃い」が好きじゃない?でも絶対その中に無理して「お揃い」に合わせてる人いるって!もしくは、「お揃い」を義務だと思ってたり、もはや何にも考えずに「お揃い」にしてたりとかさ。なんか、客観的に見るとその人たちすごい寂しく見えちゃうなぁ。金子みすゞもショックだこりゃ。

 長いボヤキになっちゃった。まあ困ったらね、自分のルーツを辿ればいいんですよ。生まれてからの今日までの自分でもいいし、両親やご先祖様たちでもいいし。ルーツは「歩いてきた道」だから、辿れば自分がどんな人かとか、どこに行きたいかがわかるもんです。そう言えば、アメリカの先住民に、「自分のルーツ辿るんだ!」って言って超昔の服や家つくったり絵を描いてる楽しげなおじさんがいましたよ。

じゃあ、また!

ペンネーム:“アドッグ”ってなんやねん さん