MIM-PMの結果と活用

MIM-PMの結果は,クラスレポートや個人レポートとして表されます。

クラスレポートでは,クラスの子どものMIM-PMの結果を得点順に示すことで,クラスの子どもの相対的な位置の把握,支援を必要とする子どもの明確化,クラス全体としての習得度の把握を促します。

具体的には,各得点結果(テスト①の得点,テスト②の得点,それらを合わせた総合点,前回と比較しての伸び(差)),各得点のクラス平均が示されます(図4)。


図4  MIM-PMの結果が掲載されたクラスレポート

これまでに実施されたMIM-PMの結果を活かした指導・支援の例としては,「下位の子どもに対して個別的な指示を補ったり,確認したりする等の特別な支援を行った」「席替えの参考にした」「他教科の理解の様子とも連動していたので,下位の子どもの指導には,あらゆる場面で意識した」「クラス全体に対して,明確に指示を出す等,授業の改善を行った」等が挙げられます。

また,2ndステージ指導や3rdステージ指導を必要とする子どもの判断は,このMIM-PMの結果を基に行っていきます(過去にMIMに参加した子どものデータを基に同定)。これらの情報は既に4月の時点においても提供されますが,実際には,1学期が終了した時点,つまり,1stステージ指導が終了時点でより明確になります。
そこで2学期からは,2ndステージでねらうところの「補足的な指導」が開始されます。これには例えば,朝学習の時間や給食の準備時間等を利用してのルールの再確認等があります。このような指導に併せて,先生方が日頃の授業の中でも対象となる子どもへ意識的に教育的配慮を行うことを可能にするため,月に一度,個別の指導計画の簡易版である「個別の配慮計画」が作成されます(図5)。

個別の配慮計画では,2ndステージ指導相当の子どもは黄色のマーカーで,3rdステージ指導が必要と考えられる子どもは赤いマーカーで示されます。さらに,特殊音節の要素ごとに,1年生の場合は,(累積)得点が,実施回数の半分の得点を下回っている際に,■が付されます。2年生の場合は,(累積)得点が,実施回数と同じ分だけ得られていない際に,■が付されます。尚,マーカーがつかなくても,■がつく場合(これは,読む速度は遅くはないが,得点の高さは清音等の読みで挙げられたもので,特殊音節等のルールが完全には習得できていないことが考えられる)も,経過観察として,個別の配慮計画の一覧に記載しています。

また,担任の先生が配慮を行いやすいよう,予め考え得る配慮の項目を列挙しています。内容は6項目,「学習の様子の再観察」,「座席の配慮」,「机間指導の重点化」,「個別や小集団指導の実施」,「特殊音節のルールの再確認」,「家庭との連携(宿題も含めて)」です。一ヶ月を通して,これらの配慮を各対象の子どもに対して行った場合には,チェックをするようになっており,確実に支援が届くようになっています(配慮を行おうと思っている項目に,計画段階であらかじめチェックをし,実際に配慮を行った場合にはそのチェックを○で囲むといったやり方もあります)。


図5 個別の配慮計画