【コラムL】電子メールを使う際の注意点

 出題者の指示により、レポートを電子メールに添付して提出するばあいがある。そんなとき、ケータイ世代にはいくつか注意すべき点がある。論証教育のハンドブックにはそぐわないが、あまりに幼椎な電子メールを多く見かけ、社会人としての将来さえ危ぶまれるため、要点だけ注意しておきたい。
 いま日本には、ふたつのまったく異なる電子メールの文化がある。チャットやケータイメール、ツイッターから派生した仲間うちのメール文化と、ビジネスレターなどの手紙から派生した大人社会のメール文化である。常識を疑われたくないなら、家族以外の大人との連絡では、ひとまず大人社会の作法で様子を見るのが賢い。具体的に注意したいのは、つぎのような点である.

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 とくに件名や本文が空欄でファイルだけを添付すると、スパムメールと認識され、受け手に届かないことさえある。
 また大人の電子メールでは、本文の前後にあいさつを置くのが一般的である。汎用性のあるあいさつの例には、つぎのようなものがある。

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 ただし無理にあいさつを入れようとして、用件にそぐわない一句を置くのは逆効果である。履修者に「よろしくご査収ください」というあいさつを教えたら何も付けていないメールにこの結びがっいていた、という笑い話がある。また、電子メールに時候のあいさつまで入れることはさすがに珍しい。
 なおレポートなどの提出のばあい、受け手は一度に多くのひとから、似たような電子メールや添付ファイルを受け取る件名やファイル名が「期末レボート」というような一般的なことばや科目名、受け手の氏名では受け手は混乱する。提出者の氏名、学籍番号などがあれば整理が容易で、通信事故のリスクも減る。