第5節 注と出典の示しかた

【この節で理解すべきこと】

  • 他人のことばと自分のことばを区別し、出典を明示しないと不正行為になる
  • 本文中に書くと流れを滞らせる補足的な情報は注に回す
  • 出典は従来型と近年型のいずれかを用い、誰でも資料が確認できるように示す
  • 参照した資料をレポートの最後にリストし参考文献として示す
  • 原則としてウェプ上の情報はレポートの論拠とはできない

 第1節に学んだとおり、大学でのレポート論文には、(1)問題を立て(2)客観的な論拠をあげ、(3)答えを示す、という作業が欠かせない。結論は同じでも、論拠がなければ主観的な感想や憶測にもとづくただの意見と見なされる。自分の主張に「誰が考えてもこうならぎるをえない」という説得力を持たせるには、文献・資料から説得力のある論拠を引用することが大切である。

 ただし他人の研究成果やアイディアを断りなく自分の名前で発表すれば剽窃ひょうせつとなり、他人が言っていないことをでっち上げれば捏造ねつぞうとなる。いずれも不正行為と見なされる。こうした落とし穴をよけて、説得力のあるレポート・論文を書くには出典を明示する方法(本節)と、引用を自分のことばと区別する作法【→第6節】を身につけなければならない。