新聞記事にくらべ文字量と執筆期間に余裕があるため、雑誌記事は同じテーマでもより掘り下げた内容となり、より専門的・学術的な分析が読めるばあいが多い。うまくいけば雑誌記事に目を通すだけで、レポートの議論をけたちがいに深めることができる。この意味では一般誌より学術誌、週刊誌より月刊、季刊、年刊など発行頻度の低い雑誌に目を向けたい。なかでも分野別の専門誌や学会誌、大学紀要や言論誌に掲載される研究論文は、取り組むテーマの理解を一気に深め、最新の議論に触れる大きな助けとなる。
a.CiNii Articles (サイニイ・アーティクルズ) http://ci.nii.ac.jp
国立情報学研究所が提供する学術論文のデータベースで、収録件数は約1,800万におよぶ。そのうち約370万件がオンラインで本文表示でき、コンピュータの画面上でダウンロードできる。所蔵機関に足を運んで実物を手に取ることなく、気になる論文を画面上で閲覧できる。 CiNiiに論文本文がない場合でも連携サービスのリンクが設けられ、より多くの本文にアクセスできるようになっている。オンラインで本文を表示できる記事のばあい、検索結果に添えて「CiNii PDF −オープンアクセス」「機関りポジトリ」等のリンクが現れる。検索画面では検索対象を本文があるものに限定するオプションも用意されている(図7)。
CiNiiは学外のコンピュータからも利用できるが、学内端末からアクセスすると、より多くの件数の論文がオンラインで閲覧・保存できる(画面上部に大学名が表示されるのを確認すること)。学内からアクセスするためには、「蔵書・情報検索」の「目的別」欄から「国内の論文記事を探す」を選べばよい(図4-2)。このほか、OPAC詳細検索画面でタブを切り替えても利用できる(図2-2)。
このように便利なCiNiiであるが、オンラインで閲覧できる論文しか調べないのでは資料調査として極めて不充分である。有益な論文に出会うためには、収録誌の所蔵を確認し、実物を探して閲覧する労を惜しんではならない。明治学院大学図書館が所蔵していなければ、他機関に赴いて閲覧したり、文献複写のサービスを積極的に利用して、役立つ資料を探して欲しい(図3-2)。
b.Magazine Plus (マガジン・プラス)
(学内からの接続もしくはSSL-VPN接続の場合のみここから行ける)
CiNiiのようにオンラインで本文表示することは出来ないが、学術論文に加え、ビジネス誌、業界誌、スポーツや趣味などの一般誌も収録するのが特徴のデータベス。雑誌24,806誌・図書13,123冊、計1,223万件(論文・記事)の目録を提供する(2012年7月時点)。調べるテーマに応じてCiNiiと併用し、有益な記事をみつけてほしい。
利用にはライセンス契約が必要だが、大学などの教育機関が契約していることも多い。明治学院大学図書館でも、「蔵書・情報検索」の「目的別」欄から「国内の論文記事を探す」を選択することでアクセスできる(図4-2)。
以上の雑誌記事検索で見つけた論文が、大学図書館に収蔵されているかを確かめるさい、注意すべき点がひとつある。大学図書館OPACは雑誌名で検索しなければならず、そのうえで収蔵巻号のリストに必要な号がふくまれているかを確認する必要がある、という点である。今のところほとんどの図書館のOPACは、個々の記事や論文の著者名、見出しや論文のタイトルを情報として持っていないからである。次に紹介するのは、貴重な例外である国立国会図書館サーチである。