ワードプロセッサの普及で増えた、横書き文書の書式について注意しておきたい (行間などの設定については「レポートの体裁」を参照)。 原稿用紙を使ってきたひとが横書きを始めるさい気になるのが、句読点である①縦書きとおなじ「、」「。」とする方式、②「,」「.」する方式、③「,」「。」とする方式が世の中に混在している。ちなみに文学・思想・歴史などの人文系では①を、自然科学などでは②を目にすることが多い。今のところどれでもよいが、「アカデミックリテラシー1」では、混乱を避けるため①を指定している。なお、ひとつのレポートの中に2つ以上の方式を混ぜてはならない。また句読点の方式については、ほとんどのワードプロセッサで、環境設定(初期設定)機能をもちいて、一括指定できる。 日本語の句読法に元来ない疑問符「?」や感嘆符「!」は、日本語のレポートや論文では、極力用いない。引用や訳文の中など避けられないばあい、全角の「?」や「!」のあとに全角スペースをひとつ置く。うしろに句点は置かない。 横書きでは原則として、半角の算用数字を用いる。ただし和数詞や慣用表現は漢数字のままでよい。ローマ字も半角とする。ローマ字のあつかいで悩むのが、イニシアルなど1文字のばあい全角とすべきかである。(世間一般もその方向に統一されつつあるが)「アカデミックリテラシー1」では、半角とする。 なお、本文や文献表の欧文部分で、半角のピリオド「.」やカンマ「,」、コロン「:」やセミコロン「;」を用いるばあい、基本的には常にうしろに半角のスペースをひとつ入れる。必要なスペースをフォントに含む全角文字の句読点と異なり、半角では自分でスペースを入れる必要がある。例外はページを示す「p.」や巻号をあらわす「vol.」「no.」などである。これらのピリオドのあとにスペースを入れると、数字が前後どちらに続くかがひと目で分からなくなるためである。かつてはこの種のピリオドのあとにもスペースを置いたが、「アカデミックリテラシー1」ではスペースを入れないかたちに統一する。今日の英語圏の出版物でもスペースを入れない方式が定着しつつあるからである。【→第5節・2b】 |